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ルクセンブルクの物価:ルクセンブルクの生活費と生活の質

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ルクセンブルク知っておきたい情報

ルクセンブルクは高い生活の質で知られる魅力的な国です。経済は繁栄し、失業率も欧州他国に比べて低いため、多くの企業が近隣諸国や遠方から人材を引きつけています。しかし、生活費が高いことでも有名です。

我が家の日常を垣間見てください。実際に暮らして感じたリアルな体験を、各見出しごとにお届けします。ぜひご一読ください。

インフレ率の変動とヨーロッパ諸国との比較

インフレ指数

ルクセンブルクのインフレ率は上昇傾向にあります。2020年には0.8%だったインフレ率が、2024年4月には2.4%と発表されています。なんと、過去最高は2022年の6.34%です。

以下は、各国のインフレ率(政府発表)を示す表です。

国名2020年2021年2022年2023年2024年 (予測)
トルコ14.6%19.6%64.3%43.8%35.2%
ハンガリー3.3%5.1%15.0%16.4%11.8%
ポーランド3.4%5.1%13.2%12.3%9.5%
エストニア-0.4%4.6%19.4%9.4%7.2%
リトアニア1.1%4.6%18.9%9.5%7.4%
ルクセンブルク0.8%2.53%6.34%3.51%2.4%
ドイツ0.5%3.1%7.8%6.1%2.5%
フランス0.5%2.1%5.2%5.9%2.3%
ベルギー0.74%2.4%10.2%4.2%2.7%
出典:https://statistiques.public.lu/en.html


確かに、数字だけでは実感が湧きにくいかもしれません。そこで、私たちの家計の実際の状況をお話します。昨年、1週間分の食材を大型スーパーで100ユーロで購入していましたが、今年は同じ量の買い物に150ユーロが必要になっています。それだけすべての物価が上がっているということになりますね。

エネルギー部門の物価上昇

メーターの数字とユーロ紙幣で見る物価上昇

ルクセンブルクでは、2020年からエネルギー価格が大幅に上昇しました。家庭用暖房油は50%、都市ガスは18%値上がりしました。ディーゼルは25.1%、ガソリンは22.6%上昇し、暖房油1リットルの価格は約1.57ユーロです。

現在の平均価格は以下の通りです

  • 暖房油:0.80ユーロ/リットル
  • 電力料金:0.25ユーロ/kwh(通常の半額)
  • ガス料金:1.0ユーロ/m3(国庫補助がなければ2倍の価格)

そこで、我が家の事情についてもお話します。昨年と比べて、月々の電気代が50ユーロ増加し、ガソリン代も50〜60ユーロ増加しています。

住宅価格の高騰

家の価格高騰

ルクセンブルクでの住宅購入は高額で、都市部だけでなく郊外でも高額です。新築住宅は都心から離れた場所でも平均80万ユーロから100万ユーロ以上です。そのため、普通の会社員には手が届きにくいでしょう。2020年から2022年にかけて住宅価格は10%以上上昇しました。しかし、2023年には金利上昇と財政難の影響で価格が下落しました。

家賃の違い

それでは、ここで都心部と郊外の生活費の違いについて見ていくことにしましょう

都心部(ルクセンブルク市内):

  • 1ベッドルームのアパートメント: 月額2,000ユーロから3,500ユーロ
  • 3ベッドルームのアパートメント: 月額3,500ユーロから6,000ユーロ

郊外:

  • 1ベッドルームのアパートメント: 月額1,500ユーロから2,500ユーロ
  • 3ベッドルームのアパートメント: 月額2,500ユーロから4,000ユーロ

我が家はルクセンブルクで賃貸住宅に住んでいます。ありがたいことに、大家さんのご厚意で、2017年に契約して以来、賃貸料は据え置きのままです。

生活費:実際にくらして感じること

生活費の高騰イメージ

ルクセンブルクの生活費は、都心部と郊外で大きく異なります。

それでは、私の実際の生活体験をお話させていただきます。
生活して感じてているのは、価格が50%以上も上昇しているという実感です。

例えば、サラダ菜などの野菜のサイズが明らかに半分になっていますし、お肉の400gパッケージも実際にはパッケージを含めて約350gしかありません。

気になって購入したもの全てを計量してみたところ、記載されている内容量よりも実際には10~15%少ないことが判明しました。

値段はそのままでも内容量が減っている物はまだ負い方で、最悪なのは、値段は上がり、内容量が減っている場合です。

これは、ルクセンブルクだけではなく、隣国のドイツやフランスで購入したものも同様でした。ベルギーではまだ食材を購入していないので、次回検証してみたいと思います。

我が家の食費と雑費

我が家は、3人家族です。週ごとにまとめ買いをしていますが、必要なお肉・魚・野菜などの購入で1回約120~150€。時々ワインやビール、チョコレートなどを入れると200€ 月にすると600~800€ 

日本食を買いにドイツのデュッセルドルフへは3ケ月に1度にしているので、ここでの買い物は、最低でも600~800€は必要となります。

輸入品の価格は、およそ輸入先国の3倍が相場のようです。

歯磨き粉やトイレタリー用品は、月100~150€。美容院代は、ルクセンブルクでは高額なのでお隣のドイツへ行っています。それでもヘアカラーを入れると150€~200€。

2024.06現在は、円安なのでこの値段を日本円に換算するとちょっと恐ろしいと思いますが、決して贅沢な暮らしをしているわけではなく、ごくごく質素な暮らしでもこれだけの費用がかかるということをご理解いただけたらと思います。

ごみ出し費用の概要

ルクセンブルクでは、ごみ出しにも費用がかかります。独身、カップル、そして4人家族の場合、それぞれの年間費用は異なります。以下にその詳細をまとめました。

世帯区分年間費用 (ユーロ)
独身162.79€
カップル245.59€
4人家族431.57€

この表からもわかるように、世帯人数が増えるにつれてごみ出しの年間費用も増加します。ルクセンブルクで生活する上で、このようなコストも考慮に入れる必要があります。

都市部と郊外との比較

  • 食費:
    • 都心部のスーパーマーケットやレストランは郊外よりも若干高い傾向があります。特に外食費は都心部の方が高めです。
    • 例: 都心部のミッドレンジのレストランでのディナー: 1人あたり40ユーロから60ユーロ
    • 郊外では同じクオリティの食事が30ユーロから50ユーロで済むことが多いです。
  • 交通費:
    • 都心部では公共交通機関の利用が一般的ですが、郊外では自動車が必要になることが多いです。都心部の月間定期券は約50ユーロ、郊外でのガソリン代や駐車場代はこれに比べて高くつくことが多いです。
    • 例: ガソリン代(1リットル): 約1.58ユーロから1.68ユーロ
  • その他の費用:
    • 教育費: 都心部にはインターナショナルスクールが多く、授業料は年間で25,000ユーロとなります。都心部にも公立学校があり、授業料は無料です。ルクセンブルクでは、公立の幼稚園、小学校、中学校、高校など、すべての公立教育機関で無償の教育が提供されています。これには、教科書や学用品も含まれることが多いです。
    • 娯楽費: 都心部では映画館や劇場、スポーツクラブなどが多く、エンターテインメントにかかる費用が高めです。郊外では自然を楽しむアクティビティや地元のイベントが主流となり、費用は比較的抑えられます。

ルクセンブルクの医療保険制度

ルクセンブルクの医療保険制度は、公的医療保険と私的医療保険の2つの主要な部分に分かれています。公的医療保険は、社会保障制度(Caisse Nationale de Santé, CNS)によって管理されています。

公的医療保険(CNS)

  • カバー範囲:
    • 医師の診察料、専門医の診察料
    • 処方薬
    • 入院費用
    • 手術費用
    • 歯科治療
    • 一部の視覚補助具(メガネ、コンタクトレンズなど)
    • 理学療法やリハビリテーション
  • 保険料:
    • 労働者は給与の一部を社会保障制度に納めます。この額は雇用者と労働者が折半して支払います。
    • 保険料は収入に基づいて計算されるため、収入が高いほど支払う額も増えます。

私的医療保険

  • 目的:
    • 公的保険ではカバーしきれない部分を補完するための保険です。例えば、高額な歯科治療や選択的な手術、特殊な薬など。
  • 保険料:
    • 保険会社やプランにより異なりますが、月額50ユーロから200ユーロ程度が一般的です。

医療費の具体例

以下は、ルクセンブルクにおける医療費の具体例です。

一般診療

  • 初診料:
    • 公的保険適用前: 50ユーロから70ユーロ
    • CNSにより一部カバーされ、自己負担額は約10ユーロから15ユーロ

専門医の診察を受ける前に、まずは一般医(ファミリードクター)に診てもらう必要があります。一般医が専門医の診察が必要だと判断した場合、専門医の予約を取ることができます。

専門医の診察

  • 診察料:
    • 公的保険適用前: 70ユーロから150ユーロ
    • CNSカバー後の自己負担額は約20ユーロから30ユーロ

入院費用

  • 一日あたりの費用:
    • 公的保険適用前: 300ユーロから500ユーロ
    • CNSカバー後、自己負担額は約20ユーロから50ユーロ

診察費用の返金手続きについて

診察費用は、まず全額を支払います。その後、領収書をCNSに送付すると、約1か月後に保険でカバーされた診察費用が指定の銀行口座に返金されます。

なお、100€以上の診察費用は、CNSの事務所に直接行けば小切手で返金されます。その小切手を換金するか、銀行口座に入金してください。現在、CNSの事務所に行く際には事前予約が必要なため、以前のように診察帰りに立ち寄ることはできなくなっています。

処方薬

  • 薬の種類により異なるが、一般的な処方薬の場合:
    • 公的保険適用前: 20ユーロから50ユーロ
    • CNSカバー後、自己負担額は約5ユーロから10ユーロ

処方される薬は、必須医薬品は無料・選択的医薬品は一部無料あるいは有料となっています。

私的医療保険が必要な程度

ルクセンブルクでは、公的医療保険が充実しているため、基本的な医療サービスはほぼカバーされています。ただし、以下の理由で私的医療保険を追加で持つ人も多くいます。

  1. 高額な医療費のリスクをカバー:
    • 公的保険ではカバーされない高額な治療や手術、特殊な薬の費用を補填するため。
  2. 迅速な医療サービス:
    • 私的保険を持っていると、より迅速に専門医の診察を受けられる場合があります。
  3. 快適な入院環境:
    • 公的保険では標準的な病室が提供されますが、私的保険を利用すると個室や快適な環境が提供されることがあります。

ルクセンブルクの医療制度は、公的医療保険が充実しており、基本的な医療サービスはほとんどカバーされています。しかし、より高額な医療費や特別な治療を考慮する場合、私的医療保険の加入も検討する価値があります。具体的な医療費の例を考慮し、適切な保険プランを選ぶことが重要です。

我が家では私的医療保険に加入していません。幸いなことに家族全員が健康で、歯科や眼科も含めて年に一度の健康診断のときだけクリニックに行くからです。

一方、小さなお子さんがいる友人たちは、頻繁に高熱を出す子や持病のある子がいる場合、私的医療保険に加入しているようです。

ルクセンブルクの家計支出内訳

ルクセンブルクでは、家賃が給与の30%から50%を占め、食費は10%から20%、そして娯楽費は、5%から10%が一般的な数値だと言われています。残りの支出は、交通費、光熱費、医療費、貯蓄など他の項目に充てられます。

公共交通機関の無料化

ルクセンブルクは2020年に公共交通機関の無料化を導入しました。これは世界初の試みであり、多くの住民にとって大きなメリットとなっています。

ルクセンブルク国内公共交通機関の詳細は、ルクセンブルク快適移動の秘訣!国内公共交通機関完全ガイドをご覧ください。

ルクセンブルク政府の援助金

ルクセンブルク援助金・補助金制度

ルクセンブルク政府は、さまざまなシーンでの援助プログラムを提供しています。

これらのプログラムを活用することで、多少でも経済的負担が軽くなるのではないでしょうか?

住宅購入時の援助金

ルクセンブルク政府は、住宅購入を支援するためにいくつかの援助プログラムを提供しています。特に、初めて家を購入する人や低所得者層に対するサポートが充実しています。

住宅購入補助金 (Prime d’Acquisition)

初めて住宅を購入する人に対して、一定の条件を満たす場合、政府から一時的な補助金が支給されます。補助金の額は所得と家族構成に基づいて計算されます。

利子補助 (Subvention d’intérêt)

住宅ローンの金利の一部を政府が補助する制度です。これにより、借入れにかかるコストを削減することができます。利子補助は、所得制限があり、特定の条件を満たす必要があります。

毎月のローンや家賃に対する援助金

毎月の住宅ローン返済や家賃の支払いを支援するために、ルクセンブルク政府は以下のような援助金を提供しています。

家賃補助 (Allocation de logement)

低所得者層を対象に、家賃の一部を補助する制度です。家賃補助は、所得と家族構成に基づいて計算され、家賃の負担を軽減します。

家計支援金 (Allocation de soutien au ménage)

家計に対する総合的な支援金で、住宅費用の他に、生活費全般をカバーすることを目的としています。特に、子供のいる家庭や高齢者世帯を対象に支給されます。

子供の教育費援助

ルクセンブルクでは、子供の教育費をサポートするために、さまざまな援助金が用意されています。

児童手当 (Allocations familiales)

すべての子供に対して月額で支給される手当です。子供の数や年齢に応じて金額が異なります。児童手当は、子供が18歳になるまで、または学生であれば25歳まで支給されます。

教育費補助 (Bourses d’études)

大学や専門学校に通う学生を対象に、学費や生活費の一部を補助する制度です。補助金額は家庭の所得に基づいて決定され、奨学金として提供されます。

子供のケア費用補助 (Chèque-service accueil)

就学前の子供や学童保育を利用する家庭に対して、保育料の一部を補助する制度です。所得に応じて、保育料が減額されます。

申請方法の概要

  1. ルクセンブルク社会保障省(Ministère de la Sécurité sociale)のウェブサイト
    • ここでは、家計支援金を含むさまざまな社会保障プログラムに関する情報が提供されています。公式ウェブサイトの「家族支援」または「福祉支援」のセクションを参照してください。
  2. 全国社会保障センター(Centre commun de la sécurité sociale, CCSS)
    • CCSSは、ルクセンブルクの社会保障制度の管理を担当する主要機関です。これらの公式ウェブサイトでも、家計支援金に関する情報が見つかります。
  3. 地方自治体の福祉事務所(Service social communal)
    • 地元の福祉事務所は、申請手続きのサポートを提供しています。お住まいの自治体のウェブサイトで、福祉事務所の連絡先や所在地を確認し、直接訪問または連絡してみてください。

具体的な手順

  1. ウェブサイトを訪問
    • ルクセンブルク社会保障省の公式ウェブサイト または CCSSの公式ウェブサイト へアクセスします。
  2. 情報の確認
    • 「家族支援」や「福祉支援」のセクションで、「家計支援金 (Allocation de soutien au ménage)」に関する情報を探します。申請条件、必要な書類、申請方法が記載されています。
  3. 申請書のダウンロード
    • 該当する申請書類をダウンロードし、必要事項を記入します。
  4. 書類の提出
    • 必要な書類(身分証明書、収入証明書など)を揃え、申請書とともに指定された窓口に提出します。郵送またはオンラインでの提出が可能な場合もあります。
  5. 問い合わせ
    • 分からないことや追加情報が必要な場合は、CCSSまたは地方自治体の福祉事務所に直接問い合わせてください。

ルクセンブルクで生活費を抑えるための具体的な方法

ピンクのピギーバンクでお金を貯める

ルクセンブルクで快適に暮らすための節約のヒントをお届けします。

住宅費の節約

シェアハウスを利用

家賃の高いルクセンブルク市内では、シェアハウスやルームメイトと共同生活することで家賃を大幅に節約できます。ですが、これはあなたが独身であることを前提での話となります。では、家族がいる人は?

郊外に住む

都心部よりも郊外や隣接する町村に住むことで家賃が抑えられます。交通費、通勤時間とのバランスを考慮しつつ、検討しましょう。

政府の補助金を申請

ルクセンブルク政府は、数々の援助金システムがありますので、是非ご活用ください

交通費の節約

公共交通機関を利用

ルクセンブルクでは公共交通機関(バス、トラム、電車)が無料で利用できます。これを最大限に活用しましょう。

自転車を活用

短距離の移動には自転車を使うと交通費が節約でき、健康にも良いです。ルクセンブルク市内には自転車専用道路も整備されています。電車はもちろんですが、バス、トラムでも自転車を持ち運びすることは可能なので、是非ご活用ください。

食費の節約

スーパーでまとめ買い

献立を考え、それに沿った食材をまとめ買いすることで、食費の出費はかなり抑えることが可能です。 私の経験ですが食材は、ドイツが他国に比べて安価ですので、ドイツのスーパーでの買い物もおすすめです。フランスは、食材はかなり高額のようです。

地元の市場を利用

新鮮な野菜や果物を地元のファーマーズマーケットでで購入することで、スーパーよりも安く手に入れることができます。居住地によって開催される日時も異なりますので、地方自治体事務所にお問合せ下さい。

自炊を心掛ける

外食は高くつくため、自炊を増やすことで食費を大幅に節約できます。計画的な食材購入と簡単なレシピを活用しましょう。

まとめ

ルクセンブルクは高い生活の質を提供していますが、同時に高い生活費も伴います。移住を検討する際には、生活費やインフレ率、住宅価格などを十分に考慮する必要があります。詳細な情報はルクセンブルクの統計機関Statecで確認できます。さらに、ルクセンブルクでは、住宅購入から毎月のローンや家賃の支払い、子供の教育費まで、多岐にわたる援助金が提供されています。これらの援助金は、ルクセンブルクでの生活をより安心して営むための支えとなります。援助金の詳細や申請方法については、ルクセンブルク政府の関連機関に問い合わせると良いでしょう。

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