日本のパスポートは、長らく世界最強とされてきましたが、2025年からは新しい渡航ルールが導入されます。日本を含むビザ免除国の市民は、シェンゲン圏への渡航前に「欧州渡航情報認証システム(ETIAS)」の申請が必要になります。本記事では、ETIASについての詳細と、日本人旅行者にとっての影響を解説します。
ETIASとは?
2025年5月から導入される「欧州渡航情報認証システム(ETIAS)」は、シェンゲン圏への旅行を予定しているビザ免除国の市民に事前の電子許可を求める新しいシステムです。この措置により、増え続ける観光流入の管理と安全性が向上します。ETIASはビザではなく、訪問前の必須手続きとなります。事前に必要書類を手元にそろえておくことで、手続きは簡単に完了します。申請にはパスポート情報のほか、個人情報、旅行詳細が必要です。ETIASは一度の申請で最大3年間、またはパスポートの有効期限まで有効です。
なぜETIASが導入されるのか?
この新システムは、犯罪を防ぎつつ、旅行者の自由な移動を促進するために欧州連合が企画しました。シェンゲン圏内での移動が容易になる一方で、入国管理を強化することが可能になります。
ETIAS申請プロセス
それではここで申請方法を図解を入れ、解説していきます。またまだ詳細は不明ですが、フォーム記載の内容も予測の段階ではありますが、解説していきますので、ご参照ください。
1. オンラインフォームへのアクセス
申請は、公式ウェブサイトからのみ可能です。
パソコン・タブレット・スマートフォンで公式サイトにアクセスします。
2. 個人情報の入力
個人情報の入力を行います。
この時に、健康状態や旅行の安全に関する質問があると思われます。
ヨーロッパでの滞在履歴、感染症の有無などが考えられます。
3.パスポート情報の記入
パスポートの有効期限が目安として6ケ月以上あること。
10年以内に発行されたICチップ搭載の機械読み取り式のパスポートであることを事前にご確認ください。
4. 旅行計画の明示
訪問国と滞在期間や滞在目的(観光、ビジネス、家族訪問など)の詳細を記入します。
5. 支払い
申請書の支払いを行います。
支払いは、クレジットカードまたはデビットカードとなります。
また支払いの為のカードは、本人名義でなくても大丈夫です。
申請費用は一律7€となっています。
18歳未満70歳以上の方は、無料の見込みです。
6. セキュリティチェック
ETIASの申請では、個人情報や渡航履歴、ビザの拒否歴などが、シェンゲン情報システム(SIS)、インターポール、ユーロポールなどのデータベースと照合されます。
正確で真実に基づく情報を提供することで、スムーズな入国が期待できます。
7. 審査結果の通知(渡航認証がおりた場合)
審査結果が通知されるまでに、最大30日かかることが予想されています。
渡欧の予定されている方は、早めの段階でETIASの申請を推奨します。
(渡航認証拒否場合)
「渡航認証拒否」との審査結果が通知された方は、その理由を通知され、必要に応じて再申請する権利があります。
8. 旅行の準備
認証がおりた後に、飛行機の予約を行ってくください。
搭乗する航空会社のスタッフよりETIAS(エティアス)取得の有無やETIAS(エティアス)番号を求められる場合もありますので、メモを用意しておくなど準備をして置い下さい。
申請書に記入する内容(予測)
この情報は入国審査の記入例を参考にかいています。実際とは異なる場合があることをご了承ください。
申請者の基本情報 | パスポート情報 | 適格性に関すること | その他の情報 |
姓名 生年月日 出生地 性別 現在の国籍 申請者の両親の名前 自宅の住所 メールアドレス 電話番号(固定又は携帯番号) | パスポート番号 パスポート発行日 パスポート有効期限日 他の国籍や永住権(保有の場合) | 犯罪の有無 ETIAS対象国にて入国拒否や強制送還の有無 未成年者の場合、 親・責任者の身元確認 第三者により申請された場合、代行者の身元確認 | 留学先や就労先の情報 |
対象国と非対象国の一覧
ETIASでは、全てのシェンゲン協定国に加え、アンドラ、サンマリノ、モナコ、バチカンも含まれます。非対象国であるイギリスやアイルランドには適用されませんが、各国の入国要件を事前に確認する必要があります。
AU | オーストリア | FI | フィンランド | LV | ラトビア | |||
BE | ベルギー | FR | フランス | MT | マルタ | |||
BG | ブルガリア | GR | ギリシャ | NL | オランダ | |||
CH | スイス | HR | クロアチア | NO | ノルウェー | |||
CY | キプロス | HU | ハンガリー | PL | ポーランド | |||
CZ | チェコ共和国 | IE | アイスランド | PT | ポルトガル | |||
DE | ドイツ | IT | イタリア | RO | ルーマニア | |||
DK | デンマーク | LI | リヒテンシュタイン | SE | スウェーデン | |||
EE | エストニア | LT | リトアニア | SI | スロベニア | |||
ES | スペイン | LU | ルクセンブルク | SK | スロバキア |
AD | アンドラ | SM | サンマリノ | MC | モナコ | VA | バチカン |
ETIAS 非対象国
IE | アイルランド | GB | イギリス |
ETIAS 有効期限と規則
一度の承認で、ETIASは3年間またはパスポートの有効期限まで有効です。許可された90日間の滞在は、180日間の任意の期間に分けて使用することが可能です。
ヨーロッパへの渡航には、シェンゲン圏を出国する日付から3か月以上有効なパスポートと、有効なETIAS認証が必要です。これらの書類を正しく準備し、安全基準を満たすことでスムーズな旅行が可能になります。
欧州渡航情報認証システム(ETIAS)よくある質問と答え
- ETIASとビザの違いは何ですか?
-
ETIASは事前旅行許可であり、ビザとは異なり面接や大使館での手続きは不要です。
- 申請に必要な時間は?
-
通常、申請から数分で完了し、承認まで数日から最長30日かかります。
- 180日間の間に90日間の滞在日数の計算方法について教えてください
-
180日間の期間は、任意の日付から遡って計算されます。つまり、シェンゲン圏に入国するたびに、過去180日間にシェンゲン圏で滞在した日数を常に確認する必要があります。
例えば、2025年1月1日にシェンゲン圏に入国する場合、その日から遡った過去180日間(2024年7月5日から2024年12月31日まで)に既に滞在した日数を確認し、その合計が90日を超えていないかをチェックします。
- シェンゲン圏ってなに?
-
シェンゲン圏とは、1985年にルクセンブルクのシェンゲン村で署名されてシェンゲン協定により設立された地域です。この協定により、国境検査が廃止され、共通のビザ政策が導入さた結果、自由移動することができるようになりました。
- ETIAS(エティアス)はいつ導入されるの?
-
現時点でわかっているのは、2025年5月から日本国発行のパスポートへの対応ができるようです。
- 91日以上の滞在になった場合はどうなるの?
-
1.罰金が課せられる
2.出国命令又は強制送還
3.再入国禁止
4.ビザの取得困難
5.法的措置(裁判で罰せられる)などが考えられます
- シェンゲン圏の有効なビザをもっていますが、ETIASの申請は必要ですか?
-
有効なビザと有効な日本のパスポートをお持ちの方は、不要です。
- ETIAS(エティアス)申請の条件を教えてください
-
ETIAS(エティアス)申請の条件は、下記の3つです。
- 観光
- 就労を伴わない短気のビジネス渡航(出張)
- 乗り換えでEU諸国の国際空港を利用(乗り継ぎ時間が1時間でも申請が必要です)
- ETIAS(エティアス)申請は空港でできますか?
-
申請は、空港ではできませんので、事前にご準備ください
- 留学予定ですが、ETIASで大丈夫でですか?
-
長期滞在(90日以上)になる場合は、対象国での学生ビザを取得してください。
- ETIAS(エティアス)が対象になるのは誰?
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シェンゲン圏にビザなしで入国できる、米国、カナダ、オーストラリア、日本などが含まれます。
長期滞在の場合
長期滞在(90日以上)の場合は、滞在する国のビザを取得する必要があります。そのため、まず第一に、多くの国で事前にビザ申請が必要です。この点を踏まえ、長期滞在を計画している方は、それぞれの国の大使館や外務省から情報を収集することが重要です。
さらに、具体的には、ルクセンブルクへの長期滞在ビザに関しては、申請手順や必要書類、滞在ルールの詳細を解説している「ルクセンブルクビザ:申請手順、必要書類、滞在ルール詳細」をぜひ参照してください。これにより、より具体的で役立つ情報を得ることができるでしょう。
ルクセンブルクのワーキングビザについては、こちらの記事「ルクセンブルクビザ:Working Holiday(ワーキングホリデー)ビザ」を是非ご参照ください。
まとめ
この新しいETIASシステムにより、ヨーロッパ旅行がより安全かつ効率的になります。適切な準備と理解によって、シェンゲン圏内でのスムーズな滞在が保証されます。今後も更新情報をチェックし、計画的に申請を進めてください。
ETIASの正確な導入時期に関する情報は、まだ確定しておりませんが、最新の情報を随時ブログ記事にて更新していく予定です。ブログを定期的にご覧いただくか、ブックマークしておくことで、最新情報をいち早くキャッチできますので、ぜひご活用ください。お役立ち情報をお届けできるよう、引き続き努力してまいります。
ルクセンブルクビザシリーズの記事も是非ご参照下さい。
ルクセンブルク長期滞在ご予定の方へ基本情報:
ルクセンブルクビザ:種類、申請手順、必要書類、滞在ルール詳細
ワーキングホリデービザをご予定の方:ルクセンブルクビザ:Working Holiday(ワーキングホリデー)ビザ
ホームステイ先でベビーシッターのお手伝いをご予定の方:ルクセンブルクビザ : Au Pair (オーペア)ビザ
(近日公開予定)