子供は自然に多言語を覚えることができるの?
実際のところ言うは易し行うは難しだというのはが私の本音です。
娘は、アメリカの幼稚園3年保育(3歳で入園)するまで自宅ではドイツ語と日本語の環境でした。そして幼稚園で英語を学んだ時には、英語が第2外国語の子供のクラスにも参加するようにと先生から言われました。この学校は私立で年間25,000ドル以上かかったうえ、英語のクラスは同額を支払うので、合計50,000ドル以上必要になります。とんてもない、無理ですということで通常のクラスにだけにしていました。
幼稚園が始まって3ケ月もしない頃には、英語のクラスは必要なかったね!と先生方から言われたほど、子供の脳がどんどん新しい語学を吸収していってくれました。
小学3年生でヨーロッパへ引っ越してからは、ドイツ語を必死で学ぶことになりました。今では、英語・ドイツ語共にネイティブレベルですが、その分日本語はかなりおぼつかなくなってしまっています。特にドイツ語の文法は、難しかったようです。
大学に入り、日本語をもう一度学びなおした娘の為に、自宅での会話の中に日本語を取り入れるようにし始めました。
私が現在22歳の娘をマルチリンガルに育てた経験に基づいたお話をさせていただきますね。そしてこれは、あくまでの我が家での話ですので、あなたのご家庭にあった方法を探していただけたら幸いです。
多言語教育ー我が家の場合
その子の性格にもよりますが、娘はかなりシャイな子なので、ヨーロッパ最初の地、オーストリアに住み始めて数週間後、相手の言っていることは理解しているのに、言葉を発しない娘に最初は焦りといら立ちを感じてしまいました。
そこである日、私が娘にとった秘策があります。それは・・・こんなことでした」
私がダメな見本を娘に見せることで、あ~ママのこんなダメなドイツ語でも会話が成り立つんだ!と思わせることでした。
これが功を奏し、その日から娘は、すらすらとドイツ語を話し始め、周囲の大人たちを驚かせました。
子供の脳は、スポンジがお水を吸い込むようにそれからはドイツ語をどんどんと吸収していきました。
おすすめの多言語習得方法-子供向け
オーストリアに入国後、一番最初にしたことは、娘のドイツ語教育でした。そこでなにをしたのか?をまとめておきますので、ご参照くださいね
- 一番簡単な絵本からアルファベットの発音をマスターさせました。
- 簡単な絵本を購入ー簡単なものから始めることで、自信をつけさせることができたと思います
- ある程度読める様になったら、本人が興味のある本を購入
以上が目から入る語学習得のためにはったことです。生まれた時から読み聞かせをしていたので、本にはかなり興味があったようです。それからは本棚にどんどんドイツ語の本が増えていきました。
それでは次に耳から入る語学学習について、実際にやったことを書いていきますね。
- 年代にあった子供向け番組を時間の許す限り見せました。いっしょに視聴することもありました。そして娘が理解している様であれば、褒めまくりました。ママには分からないのに、凄いね!と言った感じです。
- 同居していた祖父母が音楽好きで、ラジオ番組をよく聞いていましたので、ラジオからも自然にドイツ語が耳に入るようにしていました
- 祖父母も娘からの返答がかえって来なかったり、間違っていたとしても気にせず積極的に基本的な会話(お腹すいた?何を食べたい?〇〇は好き?)と言った類の事を聞いてもらっていました。
幸い祖父母との同居も娘の語学力の進歩を加速したと思いますが、それもたった4ケ月という短い期間で終わりを迎え、主人の仕事の関係で私たちはドイツへ引っ越しをしました。
ドイツの家にはテレビがない
テレビはオーストリアから持参したのですが、借りたアパ―トにはサテライトもケーブルテレビもなく観られるのは、ニュースのみ・・・これでは子供でさえテレビに見向きをしなくなりました。
そこでテレビは単にDVDなどを映し出す機器としてのみ使用していたのを覚えています。
- むすめの興味のあるDVDは英語・ドイツ語の両方で購入し、いつでも好きな時に好きな言語で観れる環境を作っておきました。
- クラスで仲良になったお友達がトルコ人・ロシア人・ポーランド人とこれまた多国籍でしたが、共通の言語はドイツ語!そうなんです、このお友達たちは、全員ドイツ生まれてのドイツ育ちだったこともあり、お友達通じて、娘のドイツ語力はかなり向上したように感じました。
オーソドックスな方法・書き取り
書き取りの練習も欠かせませんでした。この時は、ドイツ語を母国語とする主人とドイツ語は第3国語の私の両方で同じ単語を言い、娘にその単語を書き取りさせるというちょっと無謀なことをしていました。
というのは、私がアメリカに留学したとき、母国語の人の英語は分かるのに、留学生の発音が分からないという体験をしたので、娘には、どちらも理解できるようになってほしいとの願いからこの方法を取りました。
沢山の単語だと本人の集中力が続くか?不安でしたので、主人が5単語、私が5単語の計10単語のみの書き取りをほぼ6ケ月ほど毎日継続しました。
最初は同じ単語でしたが、1~2週間後にはまったく違う単語を10個に移行してみました。
間違えずに正解する日・少し間違える日・沢山間違えてしまった日をそれぞれありましたが、決して怒らない・けなさない・とにかく褒めることを心がけました。
みるみるうちに単語の書き取りも短時間で終わるようになり、スペルですら、すらすら言えるようになってクラスでのテストにも効果が出始めたのは、かなり最初の頃でした。これは娘に大きな自信となったようです。
まとめ
ここでは、娘のドイツ語学習を中心にお話しましたが、英語でも同じです。
多言語の子供の特徴として言われているのは、同時に何か国語かが脳にインプットされるので、アウトプットされるのが少し遅れる。
つまり、話始めるのが1ケ国語の子供に比べて遅いと一般的に言われています。そして語集力も数ケ国語が入る分、1ケ国語の子供に比べて少ない・・・・
それはどうなのでしょう?万が一そうだとしても、多言語を話す利点の方が1ケ国語を話す子供より多いと私は感じています。
日本に暮らしていてもどこに暮らしていても、やり方次第であなたのお子さんが数ケ国語を話すようにはなると信じています。もちろんそれには、親のあなたの根気も必要になりますね。
なによりもあなたのお子さんが楽しく、ワクワクしながら新しい言語を学んでくれる事を心から祈っています。